女性がいつまでも若々しく美しくいたいと望むように、男性もいつまでもたくましく、男性らしくありたいと思うものです。
ですが、重なるストレスや加齢によって男性機能が低下してしまい、人知れず悩んでしまう男性も少なくありません。
病院での治療を受けることが可能でも、羞恥心を捨てられずに、なかなか受診できずにいる人も数多くいます。
中でも、「勃起不全」に悩まされる男性は多く、同じ男性機能の低下による症状の中でも、大多数を占めているものです。
勃起不全とは
勃起不全とは、性交渉の際に充分な勃起ができない状態や、性交渉をするだけの勃起状態を維持できない症状のことをいいます。
膣内に挿入できなかったり、できても硬さを維持できないため、性交渉を継続できなくなる症状も同じです。
国内においては、500万人にも及ぶ人が患っているとされ、さらには、人知れず悩んでいる人がもっと多くいるのではないか、と推察されています。
軽度の場合は勃起不全を起こす頻度が少なく、重症化すればするほど、常に勃起不全となる状態に陥ってしまいます。
勃起不全の原因
勃起不全の原因には、精神的なことが原因となって起こる心因性のものや、慢性的な病気が原因となって発症するもの、加齢によるものなど様々です。
原因を追究することはそう容易なことではないため、できるだけ早い段階で病院を受診し、治療を施すことが大事です。
機能性要因
機能性要因とは即ち、心因性による勃起不全のことです。
身体的には勃起の障害となる原因がないにもかかわらず、精神的なことが原因で勃起しなくなってしまいます。
早朝に勃起する「早朝勃起」の現象があれば、性交渉時の勃起不全は、心因性によるものの可能性が高いという判断になります。
器質性要因
病気やけがといった外的要因によって、勃起不全を起こしてしまう症状です。
直腸や膀胱など下半身の臓器を手術したことにより、勃起に重要なかかわりのある神経や血管などが傷ついてしまったことで、勃起不全を引き起こしてしまいます。
加齢によって、あらゆる性的機能が衰えてしまうことでも、勃起不全を発症します。
薬剤性要因
服用している薬の副作用によって、勃起不全になることもあります。
「中枢神経薬剤」「抹消神経薬剤」「循環器系薬剤」「消化器系薬剤」などの、神経に作用する薬は、副作用として勃起不全を引き起こしやすくなります。
勃起不全のタイプ
勃起不全を「ED」と呼びますが、勃起しないことだけが「ED」と診断されるわけではありません。
勃起不全のタイプには次のようなものがあります。
その多くが後天性として発症するものばかりですが、中には先天性として生まれつき勃起不全という場合もあります。
勃起しない
性的興奮を自覚しても、全く勃起しない症状です。
正常な勃起状態にならないため、膣内に挿入することさえできず、性交渉自体が不可能となります。
硬くならない
勃起しても、男性器が充分な硬さを維持できない症状です。
膣内に挿入できても、硬さを持続できないため、中折れしてしまい性交渉を継続することができなくなります。
持続できない
正常に勃起して膣内に挿入できても、勃起状態を一定の時間持続できない症状です。
膣内で中折れするため、満足できる性交渉をすることができません。
射精できない
膣内に挿入しても、充分に射精できない症状です。
正常な勃起を得ることができて性交渉に及んでも、なかなかオーガズムに達することができないため、膣内で射精できなくなります。
EDが起るメカニズム
勃起不全の原因を探る時には、まずは正常な勃起が起るまでのメカニズムを知っておく必要があります。
性的な刺激が脳に伝わり、脳からの信号が神経を通って陰茎に伝わることで、陰茎海綿体に充分な血液が流れ込むと、正常な勃起状態となります。
男性器にある陰茎海綿体の動脈に、正常に血液が流れ込まないことで勃起不全を発症してしまうのです。
血管そのものに問題があると勃起不全を起こす原因となるため、動脈硬化や糖尿病などの病気があると、勃起不全になりやすいのはそのためです。
精力剤などに配合されることの多い「アルギニン」や「シトルリン」といった成分には、陰茎海綿体への血流を促す効果があります。
充分な血液量が陰茎海綿体に流れ込むようになると、勃起不全も徐々に改善されることとなるのです。
まとめ
男性にとって男性機能の低下は、死活問題とも言えるほど重大な問題でしょう。
男性らしくいられないと落ち込んでしまう人も少なくなく、自分自身に自信を持てなくなる人もいます。
一言でEDと言っても、そのタイプと原因は様々です。
まずは自分のEDがどのタイプになるのかを判断したうえで、EDを引き起こしている原因を追究する必要があります。
EDの原因となっているものも数多くありますが、身体的な原因が見つからなければ心因性によるものが多いため、焦らずにじっくり向き合うことが、ED改善への1歩となるのです。